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■ 第32期(2022年度・令和4年度)
第31回「全税共 人と地域の文化賞」
第31回「全税共 人と地域の文化賞」は伝統工芸技術分野から川口鋳金工芸研究会が受賞されました。同賞の贈呈式は令和5年2月21日帝国ホテルにて執り行われ、賞金100万円及び副賞100万円が贈呈されました。
川口鋳金工芸研究会(埼玉県)
~鋳金工芸技術の伝承と実践活動~
川口市の伝統産業である鋳造による工芸品の研究、鋳造文化の一般への普及を目的として活動する市民団体であり、一般の人々が鋳造工芸の学習、制作を通じて産業としての鋳造を文化として生活の中で体験すること、鋳造工芸の素晴らしさを一般に普及することを目指している。
現代の鋳造は、高度な知識と経験のうえに成り立つ専門的な工業技術であるが、同研究会が主催する教室では2年間の基礎課程を設け、専門の講師と鋳造の熟練技術者が伝統産業の鋳造技術を美術鋳物制作に応用して、一般市民に対し鋳造技術の全工程を分かりやすく教えている。基礎課程を修了した受講生は、原型デザインから工芸品として完成させるまで一連の作業を一人で行えるようになる。日常使用する工芸品を自身の感性を発揮して自らの手でただ一つの作品として制作していく中で、創作の喜びや鋳造という伝統技術と歴史の奥深さを学ぶ。
また、教室と併せて各種の外部専門家の講演や展覧会観覧等の研修会の開催、古来の和銑製鉄をテーマとした特別研究等、鋳造工芸の研究のための様々な活動実践で得た成果を一般への鋳造文化の普及につなげている。
これらの活動に加え、伝統鋳物の保存に関わる相談や保存活動の支援、各種イベントでの作品展示、SNS等による教室の実習や作品の発信等により、鋳造という技術を媒介とした文化の伝承に積極的な役割を果たしている。