公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団

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助成実績

■ 令和3年度 (2021年度・第31期)

芸術活動分野
①一般社団法人桧垣バレエ団(京都府京田辺市)
一般社団法人桧垣バレエ団(京都府京田辺市)
バレエ奉納「シンデレラ」(2021.11.3)

 1986年に設立。地元や奈良、大阪でも「白鳥の湖」など古典バレエを上演してきた。2005年のベルリン公演を皮切りに10年間で20回の海外公演を実施、ヨーロッパ文化のバレエを日本文化のバレエで表現する日本独自の作品創造に意欲的に取り組んできた。
 平成16年度文化庁芸術祭大賞を受賞、またこれまでの実績が高く評価され、桧垣理事長は令和元年度文化庁長官表彰を受けた。


②鹿児島オペラ協会創立50周年記念公演実行委員会(鹿児島県鹿児島市)
鹿児島オペラ協会創立50周年記念公演実行委員会(鹿児島県鹿児島市)
「フィガロの結婚」(2021年3月)

 昭和46年設立時から質の高いオペラ公演のため専門の指導者を招き、20数作品を120 回以上に渡り公演してきた。
 来春、創立50周年という節目を記念した公演の演目として「蝶々夫人」を上演。全国から一般公募でオーディションにより選ばれる歌い手達に機会を与えることが、日本オペラ界を担う若手の育成になることは明らかであり、行政や経済団体、報道などからも支援を得ることで地元が一体となった取組みとなるよう尽力している。

③国際芸術祭「あいち」組織委員会(愛知県名古屋市)
国際芸術祭「あいち」組織委員会(愛知県名古屋市)

 国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」は2010年から3年毎に開催。国際現代美術展のほか映像・音楽・パフォーミングアーツ、街なかでの作品展示や幅広い層を対象としたラーニングプログラムがあることも特色。
 2022年夏から約2か月半にわたり開催する国際芸術祭「あいち2022」では、愛知県の歴史・地場産業・伝統文化の再発見などを考えながら地域の魅力の向上を図る。

④こどもの夢ひろば“ボレロ”実行委員会(東京都中央区)
こどもの夢ひろば“ボレロ”実行委員会(東京都中央区)
第7回“ボレロ”大集合コンサート

 仙台出身のピアニスト・小山実稚恵氏による東日本大震災の復興支援の演奏会がきっかけとなり2015年に設立された。
 毎年夏休み期間の2日間、オーディションにより選考された子供達がピアノやヴァイオリン等の楽器で出演する体験型事業“ボレロ”大集合コンサートを開催している。オーケストラコンサートと同時に科学実験ショー、IT関連のワークショップ、打楽器体験、ミュージカル体験を行うなど親子で楽しむ企画作りに力をいれている。

⑤日本学生演劇プラットフォーム(京都府京都市)
日本学生演劇プラットフォーム(京都府京都市)
ゆとりユーティリティ「満塁デストロイ」
撮影:脇田 友

 2014年度にプレ開催し、これまで300団体2500人以上の演劇を志す若者が関わってきた。日本各地で予選となる演劇祭を開催し、そこで評価を得た団体が「全国学生演劇祭」出場のチャンスを与えられるという、地方の大学にも機会を提供する稀有な演劇祭である。
 コンテスト形式の演劇祭であることも出色となっており、学生間の交流促進や地域の人材育成にも貢献している。

⑥岡田 智則(大阪府大阪市)
岡田 智則(大阪府大阪市)
作曲家・アクースモニウム奏者

 廿日市市浅原は子供達にオーケストラ教育を行うなど、音楽を用いた文化事業が盛んな 地域である。岡田氏は幼少期に同町にある浅原オーケストラにチェロ奏者として参加、ソリストを務めた。現在は電子演奏媒体「アクースモニウム」奏者として活動している。
 ミニマル・ミュージックを代表するライヒなどの作品を上演し、地域活性化と文化活動の発展に貢献している。




⑦株式会社文学座(東京都新宿区)
株式会社文学座(東京都新宿区)

 1937年に創立、名優を数多く輩出する日本を代表する劇団で「現代人の生活感情にもっとも密接な演劇の魅力を創造しよう」との考えにもとづく上質な舞台作品が魅力である。
 2002年より舞台芸術の面白さを親子で体験してもらいたいという願いから「文学座ファミリーシアター」を企画・制作し、制約の多い仕切られた劇場空間ではなく未就学児も参加できる体験型の演劇を提供している。

⑧木村 玲奈(東京都東村山市)
木村 玲奈(東京都東村山市)
『どこかで生まれて、どこかで暮らす。』
上田にて(2022) 撮影:鐘ヶ江歓一

 出身地・拠点が異なるメンバーと共に、様々な土地に一定期間身を置き風土を感じ住民 と交流して得たものを振付に生かす「どこかで生まれて、どこかで暮らす。」というダンス作品を10年間育て、発表し続けている。
 今回のプロジェクトは、コロナ禍そして今後変化していく世界へ柔軟に対応しながら、同時代の人の暮らしと共に生きて変化していく作品作りや、一般社会でのダンスの在り方を模索し相互作用を促すことを目的としている。


⑨原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)
原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)
原爆の図5部《少年少女》(1951年)

 1945年8月、広島に投下された原爆による町や人々の様子を描いた『原爆の図』は、丸 木位里・俊夫妻が約30年の歳月をかけて屏風四曲一双(1.8m×7.2m)に描いた大作。全15部にわたる作品は14部が常設展示され1部は長崎原爆資料館が所蔵している。
 また企画展・イベントも常時行っており、来春は写真家・趙根在によるハンセン病患者を撮った写真展を開催する。

⑩Hanbun.co(愛媛県松山市)
Hanbun.co(愛媛県松山市)
「Happy Birthday to You」より「日めくりの少年」

 2010年に結成されたチェコアニメ作家の山内知江子氏と振付家の得居幸氏のパフォーマンスユニット。他では見られない「コマ撮りアニメーション×ダンス」作品を制作・上演。
 童謡をモチーフとした作品はオリジナル性があり全ての年齢層が楽しめるほか、上演後に観客をステージ上に招き舞台美術や仕掛けを見せるなどの舞台演出が特徴の一つ。各地の美術館で開催するワークショップは親子で参加する体験型でリピーターも多い。


⑪創作舞台音楽芸術の会(静岡県浜松市)
創作舞台音楽芸術の会(静岡県浜松市)

 1999年、浜松市在住のメンバーを中心に活動をはじめ、2017年に現在の団体を設立。
 2019年に上演した「真昼の夜想曲」横浜公演を実施。そこで芸術的水準の高さが認められ、令和元年に「第74回文化庁芸術祭参加公演(音楽部門)」として承認されるなど実力が評価されている。2024年には浜松市民オペラにて「かぐや幻想」を上演する予定であり、市民が企画制作を行うという浜松市民オペラ事業の趣旨を体現する。

⑫ケダゴロ(東京都世田谷区)
ケダゴロ(東京都世田谷区)
『ビコーズカズコーズ』撮影©bozzo

 2013年に結成、社会的イシューや歴史的事件など社会性の強いテーマで創作を続けるダンスカンパニーである。2021年には5年ぶりとなる新作に取り組み「松山ホステス殺害事件」の犯人である整形逃亡犯の福田和子を題材とした『ビコーズカズコーズ』を発表。
 自明視されている社会的正義や現代的倫理観と距離を取り、社会および人間の実像をユーモアとアイロニーで解体しながら独自の視座をひらくスペクタクルな作風が特徴である。

⑬水中めがね∞(東京都世田谷区)
水中めがね∞(東京都世田谷区)
「三道農薬カラク」撮影©bozzo

 クラシックバレエや日本舞踊など舞踊の多角的な身体技術をもち、西洋と東洋の踊りの「魅せ方」を巧みに使い分ける中川絢音氏を中心に振付家、ダンサー、制作、ビジュアルデザイナーなどのアーティストなどが集まり、2011年に結成したダンスカンパニーである。
 自身の活動だけに注力するのではなく、同世代の振付家を招いたダンスフェスティバルを企画するなど表現者同士の関係性の構築やダンスシーンの活性化にも努める。


⑭帯広少年少女合唱祭実行委員会(北海道帯広市)
帯広少年少女合唱祭実行委員会(北海道帯広市)
第3回帯広少年少女合唱祭

 帯広市内の合唱を愛好する小・中・高校の生徒達が、日頃の練習の成果を発表する場と して演奏会を開き、市民に鑑賞する機会を提供してきた。令和5年には「地元十勝を歌に」をテーマに、児童や学生から詩を募集して地元の作曲家に曲を依頼、公募で集まったメンバーと合同練習を行いながら演奏の完成を目指す。
 中学高校と進学するにつれ合唱部が少なくなるため、合唱活動を続けられるよう様々な企画を立案し子供達のサポートを続けている。


⑮特定非営利活動法人アートステージ空知(北海道滝川市)
特定非営利活動法人アートステージ空知(北海道滝川市)
「霜夜狸」一場面より

 民族歌舞団「花こま」の車人形公演の体験から車人形の制作を始め『滝川車人形ひろみ座』を創立、県外や県内の施設で公演を重ねてきた。その後、地元にゆかりの深い屯田兵を題材とした初公演で高い評価を得たことを記念し「滝川車人形保存会」を設立した。
 創立25周年の節目に新たに2体の車人形を制作、一般公募で参加者を募りワークショップを繰り返しながら今秋予定されている公演に向け練習を重ねている。



⑯新交響楽団(東京都文京区)
『トリスタンとイゾルデ』演奏会形式(2019年)
『トリスタンとイゾルデ』演奏会形式(2019年)

 1956年に故芥川也寸志氏を監督として結成。演奏機会の少ない日本人作曲家の楽曲を積極的に取り上げた活動は高く評価されている。
 2022年度は、戦後を代表するクラシック作曲家の1人である別宮貞雄氏の生誕100周年に当たることを記念し「交響曲第1番」を取り上げる。プログラムの後半はストラヴィンスキーの「春の祭典」を組み合わせることで、幅広い聴き手への波及効果を想定した企画となっている。


⑰岡崎藝術座(東京都杉並区)
岡崎藝術座(東京都杉並区)
『ニオノウミにて』Photo Yoshikazu Inoue

次世代を担う劇作家・演出家の神里雄大氏が代表。作品の題材となる土地や地域で調査やインタビュー、ワークショップなどを行い地域住民との交流によって得られる繋がりや体験を巧みに取り入れ、俳優・スタッフ間で議論しながら作品を創作している。
 今作は沖縄の文化を色濃く反映した作品となっており、作品の広がりや価値の多様さのため沖縄地域を拠点とする俳優を配役し、開かれた言語創作を目指す。



⑱株式会社precog(東京都目黒区)
株式会社precog(東京都目黒区)

 平成18年設立、舞台芸術の制作・プロデュースを中心に国内外で多数の上演を実施。2019年からは舞台芸術を教材とした教育普及事業「コネリング・スタディ」を開始し、子供達にコミュニケーション能力や豊かな表現を学ぶ場を与えるなど小学校教育を補完している。
 2022年は渋谷区を中心としたワークショップを開催。多様な人々が集まる社会でリーダーシップを発揮し活躍するため、多様性を認識できる視座と協働する力を学ぶ。



⑲公益財団法人野々市市情報文化振興財団(石川県野々市市)
公益財団法人野々市市情報文化振興財団(石川県野々市市)
本場NYを感じるコンサート

 1994年にモントレージャズフェスティバルから招聘された際、ジャズのアカデミックな教育課程や指導に携わっているジャズジャイアンツと意気投合したことがきっかけとなり、地元・野々市市でジャズイベントを開催、30年近く続いている。
 本場ニューヨークで活躍するミュージシャンから直接指導を受けるワークショップや小中学生に向けたアウトリーチを実施、市民に低料金で質の高い文化芸術を提供している。


⑳一般社団法人ベンチ(埼玉県川越市)
一般社団法人ベンチ(埼玉県川越市)
施設でのダンスワークショップ

 東松山市内の高齢者デイサービス施設に宿泊・創作できる常設のアーティスト・イン・レジデンス機能を設置。美術・音楽・演劇・舞踊・映像等の分野で活躍するアーティストを招き、施設利用者が参加するワークショップや創作活動を行うほか、アウトリーチやリサーチを通じて住民との交流をはかる。
 事業を通じ地域の人々がアーティストと出会い文化的に交流することにより、地域の多様な文化を再認識し楽しむ機会を創出する。


㉑太田 信吾(埼玉県さいたま市)
太田 信吾(埼玉県さいたま市)
「最後の芸者たち」©bozzo

 太田氏はこれまでドキュメンタリー作家としての綿密な取材・リサーチを反映させた構成・戯曲で、職業俳優ではない一般の方を積極的に出演者に起用するなど独特な手法で舞台作品を手掛けてきた。
 監督を務めた映画の舞台である兵庫県城崎温泉の芸者文化を残すべく、舞台作品及び映像として記録する。最後の温泉芸者本人への取材をもとにしたパフォーマンス作品を住民と共同で制作するなど、地域文化を後世に伝える活動となっている。


㉒合同会社かもめマシーン(東京都北区)
合同会社かもめマシーン(東京都北区)
もしもし、シモーヌさん
(2021.12 photo by Hajime Kato)

 コロナ禍で劇場が使えない状況に直面したことを受け、2020年より電話演劇という新たな形式の演劇作品に取り組んでいる。
 電話回線を使用し俳優と観客の1対1で上演され、オンライン演劇より新しい演劇的営みを拓いた。不特定多数を前提とした既存の「公共」とは異なり、「声」を通じて「他者の身体」との親密な関係を結ぶ新たな形の「公共」を出現させることを狙う。




㉓マイルストーン・アートワークス福岡(福岡県福岡市)
マイルストーン・アートワークス福岡(福岡県福岡市)
「冬至にうたう阿知女作法」

 関門海峡や玄界灘に伝わっている「干珠満珠」の伝説(神功皇后紀/日本書紀)に基づき、現代神楽「玉垂」を創作、来春の公演を企画している。舞台上では宮中に伝わる「御神楽」の演目である神楽歌「阿知女作法」が雅楽家の石田高氏によって唱えられる。
 歌や舞を通じた神との交流から芸能が生まれ、神楽として継承されてきた。本企画は、現代における神楽を新たに創作する試みである。


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伝統芸能分野
①大和郷しで踊り(紅しで踊り)保存会(奈良県天理市)
大和郷しで踊り(紅しで踊り)保存会(奈良県天理市)
大和神社秋の大祭奉納(2021.9.23)

 江戸初期、奈良の多くの村落で大流行した念仏踊りが独自に発達し『ナモデ踊り』と呼ばれ、雨乞い信仰と結びつき祈願成就の満願御礼踊りとして催されてきた。昭和49年に復活し「しで」(御幣)を紅色に変えたことから「紅しで踊り」と呼ばれるようになった。
 大和神社秋の例祭に奉納するほか求めに応じて踊られる念仏系風流踊で、雨乞い踊の民俗性もよく保存されている。



②閖上太鼓保存会(宮城県名取市)
閖上太鼓保存会(宮城県名取市)
閖上湊神社例大祭(1991年10月)

 閖上町は三陸海岸南部に位置する。三陸沖は日本で唯一「黒潮」と「親潮」がぶつかる世界三代漁場の一つであり、閖上町はその三陸沖を漁場として栄えてきた。
 当保存会は、伊達政宗公の来訪を歓迎した際に唄われた「閖上大漁祝唄」等を次世代に伝えるために活動している。独自に「閖上大漁太鼓」を制作し小中学校等で訪問演奏活動を行うなど、地域芸能の保存継承に尽力。
 創立30周年を迎えるにあたり、東日本大震災後の支援や協力に感謝する『~絆~』祭りを企画している。

③前田郷土芸能保存部(岩手県大船渡市)
前田郷土芸能保存部(岩手県大船渡市)
盆供養

 鹿踊りは江戸時代の盛岡藩や仙台藩など周辺で受け継がれている民俗舞踊である。前田 鹿踊りは一時衰退したが昭和52年に復活した。
 また前田地域では、初盆法要を行う家々を訪問し弔いのために舞を踊る風習が根付いている。盆供養を中心に県内の郷土芸能イベントにも参加し、後継者育成のため「前田こども鹿踊り」として小学生への伝承にも力を入れており、気仙の伝統文化の継承を目的に活動している。

④一般社団法人さわやか(沖縄県うるま市)
一般社団法人さわやか(沖縄県うるま市)
沖縄の伝統芸能「組踊」を次世代へ

 「組踊」は300年を越える歴史を持つ。沖縄の施政権が日本に返還された1972年に国の重要無形文化財に指定、2010年にはユネスコ無形文化遺産として認定。唱え(台詞)・音楽・所作・舞踊で構成され、琉球舞踊や琉球古典音楽を盛り込んだ琉球独自の歌舞劇。琉球王国崩壊後は庶民へと伝わり、地域の収穫祭や村遊びの演目として上演されてきた。
 本土復帰50年の節目を記念し組踊『忠臣身替』を上演、若手後継者育成のため記録に残す。

⑤邑楽町里神楽獅子舞保存会(群馬県邑楽郡)
邑楽町里神楽獅子舞保存会(群馬県邑楽郡)
トンガ王国・邑楽町文化交流セレモニー(2021.1)

 昭和50年に設立、女性神楽師・青少年・ハンデを有した仲間など18名で構成されている。里神楽9演目と神楽獅子舞9曲を今日まで途切れることなく保存継承し、平成16年には邑楽町教育委員会から重要無形民俗文化財に指定された。翌年には群馬県文化奨励賞を受賞するなど、県内にある120の神楽団体の中でも模範的に活動している。
 また定期的に教室を開催、福祉施設訪問や幼小中校などとも連携し後継者育成に尽力している。

⑥合同会社ヴォーチェ(山形県山形市)
合同会社ヴォーチェ(山形県山形市)

 山形市は東北四大祭りのひとつ「花笠まつり」発祥の地。このまつりで踊られる「花笠踊り」の女踊りは、日本舞踊の要素を多く取り入れ「正調花笠踊り」といわれる。
 小学校や中学校で花笠踊りを学ぶ機会が激減しているため、子ども達を対象に踊り手育成のためのワークショップを開催するなど、山形の伝統的な踊りと日本舞踊の継承を行っている。


⑦特定非営利活動法人武雄流鏑馬藤武会(佐賀県武雄市)
特定非営利活動法人武雄流鏑馬藤武会(佐賀県武雄市)
佐賀県武雄神社奉納流鏑馬(2021)

 流鏑馬は、鎌倉時代に武士の間で神事の武技として奉納されるようになり、源頼朝が鶴岡八幡宮に奉納したことをきっかけに各地に広まった。もとは年占いなどの呪術的儀礼性をもった民俗神事であり、氏子によって「武雄の流鏑馬」として835年にわたり連綿と継承されている。
 後世に残すべく、射手の育成や馬との触れ合いを通しての情操教育など青少年の健全育成活動や、流鏑馬の一連の行事を地域住民の手で継続していくための活動を行っている。


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伝統工芸技術分野
①一般社団法人シガラキ・シェア・スタジオ(滋賀県甲賀市)
一般社団法人シガラキ・シェア・スタジオ(滋賀県甲賀市)

 杉山道夫氏が中心となり、2016年、信楽町にて設立。2021年4月時点で同町にある2つ の工房で13人の陶芸家が制作活動を続けており、アーティストへのサポートや作品制作の請負、うつわと食のイベントなどの企画に取り組んでいる。
 また、町内に工房を増やすことで若手陶芸作家の地域定住が促進され、伝統技術を持つ地域産業とつながる場にもなれば地域経済も活発になるとの目論見を立て尽力している。

②a-夢七宝工房 木村 玲子(愛知県あま市)
a-夢七宝工房 木村 玲子(愛知県あま市)
ガラス胎七宝皿「金魚」

 七宝工芸の発祥地であるあま市にて、二十数年間製作を続ける。一般的な七宝焼は鉛釉の関係で飲食の器にはできないため、ガラスをベースとして焼成する技法を思い立ち試作を繰り返してきた。しかし、温度管理が困難であるため新たに自動温度制御装置を導入し、この「ガラス胎有線七宝」を極め地域の文化に貢献し次世代に伝承したいと日々活動している。
 七宝の新しい試みとして、七宝業界の新たな進路を開拓する可能性を持つ技法である。




③後藤 秀聖(東京都千代田区)
後藤 秀聖(東京都千代田区)
展覧会「膠を旅するー表現をつなぐ文化の源流」
(撮影:内田亜里)

 後藤氏は膠文化研究会会員であり、日本画や文化財の修復に欠かせない膠に関する調査研究を継続的に行っている。その成果は書籍『膠を旅する』をはじめ同名の展覧会の開催により広く一般に知られている。
 こうした研究蓄積をベースとしつつ、すでに製造中止となった「和膠」を研究し、日本各地の生産現場を取材、膠関連業に従事してきた関係者へのヒアリング、文献資料収集、復元製造の工程を映像撮影・記録する活動をしている。

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食文化分野
①特定非営利活動法人ふれあいネットひらかた(大阪府枚方市)
特定非営利活動法人ふれあいネットひらかた(大阪府枚方市)
「未来のために」

 食文化の中でも特に重要な家庭の食に焦点を合わせ、2005年の設立から「食育・学習・健康」の三本柱を事業目標とし着実な実績をあげてきた。
 特に子供たちへの食育に関する取組みとして、料理教室をはじめ保護者向けの講演会など多岐にわたり実施しており、調理だけでなく料理の歴史や背景、生産者によるイベントを収穫時に行い郷土食や地産地消に触れ合う機会を提供している。


②NPO法人霧島食育研究会(鹿児島県霧島市)
NPO法人霧島食育研究会(鹿児島県霧島市)
鹿児島の「ふくれ菓子」を作る

 地域や家庭で受継がれてきた伝統的な料理や作法を次世代に伝承するための事業。近年の家族形態の変化や都市化などにより、郷土料理などの重要性が希薄となり伝承が難しくなってきた。そのため県内の小中学生だけでなく教員向けに講座を実施し、かごしま郷土料理マイスター協会やマスコミとも協力体制を作り、鹿児島県全体における食育の推進を図るなどの活動が評価され、内閣総理大臣賞や農林水産大臣賞他を受賞している。


③Life&eat Club(山口県山口市)
Life&eat Club(山口県山口市)
「KIDS KITCHEN」

 日常生活の中の食を通じ現代アートに触れるという活動の中心には子育て中の女性が多 く、それぞれの職能を活かし共に学ぶ場を形成している。特徴は、アーティスト達の創造性や表現を展覧会ではなく地域住民達と直接関わることのできるワークショップを介して地域の暮らし等に直接反映することである。
 特設サイト展示を行い、シーンに合わせたお弁当作りや出張喫茶を開くなど、地域コミュニティの活性化につながる活動をしている。


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